守破離バランス
お菓子作りの料理教室に通っている知人から面白い話を聞きました。
生徒さんは、女性がほとんど。男性が数名。
教室の先生が言うには、男性の方がお菓子作りが上手になりやすいそうです。
どうしてでしょう。一般的に女性の方が料理には慣れているはずです。
女性は、レシピを理解して、いざ作るときになると、「こうすればもっとおいしいの」とか「私はここで隠し味…」などと、アレンジをし始めるそうです。
一方男性は、生真面目。材料の1グラムの差が気になる。レンジの時間も正確、手順も決められた通り。
実はお菓子作りは、材料のほんのちょっとの差で、出来栄えががらりと変わるものらしいのです。そこで、最初のうちは慣れている女性の方が、早くおいしくできるのに、しばらくすると男性の生徒の方が、いろんなお菓子をきっちり作れるようになる…。そういうことらしいのです。
昔から、技術を身に着ける成長する段階として、守破離の3段階があげられます。お茶やお花、武道などの稽古の時に言われるので、耳にしたことがある人もいると思います。
私は、「感ケア」プログラムの習得に関しても、守破離の段階を意識することが、成長の近道であると感じています。
守破離を知らない人に、まずは簡単に説明しましょう。
守とは、先生から教えられたことを、しっかり守り、それができるようになる段階。
破とは、守で覚えたスキルを、様々な助教に応じてアレンジしていく段階。いわゆる「応用」の段階。
離とは、これまでのいろんな教えや注意事項を「意識せず」、自分の感性でのびやかに行動できる段階。
こんな感じで成長するというのは、なんとなくわかるとは思うのですが、私が重要だと感じるのは、「この3段階の移行が上手にできること」です。
先のお菓子作りの話で言えば、女性は「守」から「破」の段階に移行するのが早すぎた。その分野にある程度の経験がある人が陥りやすい。
逆に、男性は、しっかり「守」を守って基礎を固めた。だから、初級レベルでは、慣れている女性の方が上手でも、中級レベルに達するのは男性の方が早い、ということが起こるのです。
守破離の3段階を意識して、「今、何を」トレーニングするかを考えることが、成長の速度と可能性に大きな影響を与えます。
次回からは、「守」「破」「離」ごとに、その段階で意識するべきヒントを紹介していきます。
<お知らせ>
明日、私が理事長をしているメンタルレスキュー協会総会の講演会があり、京都大学の杉原保史先生が、「力強く援助的な人間関係の作り方〜中立性を超えて〜」という講演をしてくださいます。この先生のお話は、ぜひ聞いてほしい。東京地区で先生の話が伺えるのは、ものすごく貴重な機会です。
もし、明日予定がないなら、ぜひお越しください。下園のHPを見てきたとお伝えいただければ、何とか入れるようにしておきます。3000円です(^^)/。
6月30日夜に、フォローアップ講座を行います。興味のある方はどうぞ。