感ケアの習得に適さないタイミング
感ケアは、古い習慣を書き換える作業でもあります。ところが人はいったん習得したスキルをなかなか捨てることができません。なぜでしょう。私はタイミングの問題があると感じています。
1つ目は、本当に困っていないとき。
有名な親鸞の言葉、「善人なおもて往生をとぐいわんや悪人をや」にあるように、人は困らない限り、変われない生き物なのです。
2つ目は、エネルギーが足りないとき。
変わるためにはかなりのエネルギーが必要です。エネルギーが低下していると変わることに抵抗します。
3つ目は、自信がないとき
自分のプライドを守るために、新しいスキルを必死で否定してしまいます。
これらから、うつ状態の時は感ケアの習得が難しいことがわかります。
うつ状態の時は、大変苦しいので、感ケアをやってみようというニーズが大きくなっています。しかし、自信やエネルギーが低下しているので、どうしても変化を受け入れたり、継続してトレーニングするのが難しいのです。
では、感ケアを最も習得しやすいのはいつか。うつのリハビリ期(スランプを抜けたとき)、あるいはそれから半年ぐらいの間だと思います。エネルギーと自信は回復している。一方でスランプのつらさも覚えているので、ニーズもあるからです。
感ケアを経験し「大変面白い、役に立つ」と感じたが、結局自分のものにできなかった…というあなた。タイミングが悪かっただけかもしれません。上の3つの視点で振り返ってみてください。