私たちは、他人と付き合いながら生きています。その中では、どうしても他人に何かを依頼する場面があります。このとき、上手に依頼できる人とそうでない人がいる。
私は、カウンセリングや感ケアを通じて、人についてのプロになりたい、人についてのプロを育てたいと思っています。
人についてのプロとは何か。人という動物が、何を喜び、何に傷つき、何によって動機づけられるかなどという、特性をよく知っている人のことです。例えば、お医者さんは、病気についてのプロです。ところが、人についてのプロではない人もいる。そんな人は、自分が考える「正しい」ことを患者に伝え、強要して、患者を苦しめる。いわゆるドクターハラスメントになってしまいます。
感情のケアプログラムの怒りのケアでは、指導と怒りについて講義しています。
指導するという状況では、指導する側にも受ける側にも、どうしても「怒り」が乗りやすい。それは、指導という行為が、相手のパフォーマンスを否定し、自由を制限し、努力を強要する行為であるから。それをされるとき、受け手はどうしても地位の低下、自信の低下、負担感を持ちます。また、指導する側は、正しいことをさせたい、相手を従わせたいというが強くなり、受け手が素直でないと、簡単に怒りが燃え上がります。
実は指導される側も、結果(パフォーマンス)が悪いと認識している場合が多い。それと見合う指導の不快感なら、受け入れることが多いのですが、それ以上の制約や攻撃には、反撃します。いわゆる逆切れですね。
ではどうすればいいか。指導する側が、「人は、自分が悪いという認識や負担感のキャパを超える強制(プレッシャー)を受けると反抗する」という特性を理解し、相手をよく観察しながら、指導しなければならないということです。これは、指導だけではなく、依頼、交渉事、セールス、躾などにも通じます。
このような、人についての基礎的なルールを知り、上手にアプローチできるようになるのが「人についてのプロ」になるということ。
感ケアでは、人はエネルギーを重視する、人は上下関係に命を懸ける、人はなかなか変わろうとしない、人は一貫性がない…などの、ルールを学びます。それは心理学などで教わる表面的なものではなく、本音をベースにしたルールです。
さて、他人や自分自身との付き合い方に悩んでいる方。感ケアで「人についてのルール」を学んでみませんか。
感ケア入門コースが6月2日、スキルアップコースが翌日の6月3日に実施されます。詳しくはHPを。