大阪の地震の時、高槻駅で関西大学社会安全学部の学生が、スマホなどの充電を業務用バッテリーを使って支援するという「充電ボランティア」をして、市民に大変喜ばれたというニュースを見ました。
メンタルレスキュー協会の理事長として、思うことをいくつか。
まずは、ニーズに合う支援をすること。そのトラブルの中で、その方が本当に困っていることを、今自分たちができることで支援する。その時に、「何を」「いつ」「どのような方法で」支援するかがとても大切です。支援者側の都合で支援すると、押しつけになってしまうことがあります。現代社会では、良し悪しは別にして情報をスマホに頼り切っています。不安な中でスマホの復活はどれほどありがたかったことか。ニュースの中でも、視覚障害者の家族の安否を気遣う方が、「公衆電話ではだめなのです。いつものラインで連絡が取れて安心できました」という声が聞かれたとか。
2つ目は、準備をしておくこと。
支援したのは社会安全学部の学生だったので、日ごろから様々なニーズを考察し、ある程度の準備をしていた。だからこそ「いつ」に間に合う支援ができたのです。日ごろから少なくともアンテナを張って、何らかのトレーニングを積んでおくことの重要性を再認識しました。
3つ目は、支援する側も「助けられる」ということ。
学生の一人が言っていました。「自分も怖かったので、誰かと一緒にいたかった。また、活動していると、感謝や自分たちへの気遣いまでいただいて、心が温かくなった」
惨事の時は、緊張や不安が一気に強くなります。そんな時仲間と一緒に、ある目的行動をとることは、不安を下げ、第3の自信(「仲間」の自信)、第1の自信(「できる」の自信)を回復するのに大きな効果があります。
支援する立場は、案外「助けられる立場」であることを、もう一度思い起こさせてくれました。