データだけで判断する危うさ

前回のブログでは、データで客観的に見る効果について触れてみました。ところが、人生何事もバランスが必要。世の中には、データだけに偏って判断してしまう方が多くなりすぎているような気がします。技術の発達によりデータが取りやすく、分析しやすくなってきたからでしょう。

ところが、そういう“エビデンス信者”は、「人は数字に騙されやすい」という特性があることには、あまり気が付いていないようです。簡単に言うと、そのような方は、数字が出ると簡単に騙されてしまうのです。スタップ細胞事件もそうでしたが、様々な研究がありますが、同じ実験をしても再現できるものはかなり少ないそうです。ある調査によると、心理学の3大専門誌に掲載された100件の論文のうち再現に成功したのはわずか3分の1だそうです。でも、新しい論文が出ると、みんなそれを信じてしまう。

私も、いろんな数字を見ると「そうか~!」と心がときめいてしまうことがあります。

でも、そんなとき、必ず「体験」に戻るようにしています。60年近く生きていると、ある時のデータが、しばらくして違うものに塗り替えられることがしばしばあります。そんなケースでは、最初のデータを見た時の「あれ、ほんとかな?自分の感覚とだいぶ違うけど…」という違和感のほうが、最終的には正しかったということがとても多いのです。

データは、限られた条件での小さな結果。経験則、ことわざ、しつけ、習慣などは、実際の生活の中でビッグデータとして収束されてきたものが多い。それらのいわゆる常識的センスや、実経験や実感覚を動員して、数字に簡単に騙されないようにしたいものです。

でも、そのためにも、いろいろと心や体を動かす「体験」が必要ですよね。

いよいよお盆休み、皆さんもいろんな体験をしてください。感ケアもとてもいい「体験」を提供してくれますよ。