うつのリハビリを支援していると、「1段階に戻ったら幸せになれるでしょうか」と聞かれることがあります。
私は、うつを説明するとき、疲労の3段階という説明方法を使います。
1段階が通常の疲労。2段階は2倍モード。2倍疲れ2倍ショックを受けやすい。いわゆるプチうつ状態。3段階はうつ状態、とても傷つきやすく疲れ果てた状態です。2段階以下では、ラッキーなことでも心から喜べない。つまり幸せを感じにくい状態なのです。
3段階、2段階にいるときは、1段階の人を見るととても幸せそうに見えます。悩みなんて何にもなさそうです。ところが、実際1段階に戻ると、悩みはあるし、別にとても大きな幸せを感じることもない。
実は1段階とは、嫌なことに対する苦しみは、本来の大きさ(過剰に感じることがない)。一方良いことがあれば、幸せや快を感じられる状態なのです。なので、嫌なことがあればそれなりにブルーだし、ラッキーな出来事、楽しい活動や人間関係があれば幸せや充実感を感じますが、そうでなければ、「普通」の日々なのです。ただ、この普通の日々が、本当にありがたいのです。健康は無くした時に、そのありがたみを知ります。
ですから、「1段階になったら幸せになれますか」に対しては、「幸せになれるかどうかは、運命次第。だけど、1段階に戻ったら、今よりずっと楽に生きられるようになるし、楽しいことにも巡り合いやすくなりますよ」と答えています。