人は、もともとエネルギーをきわめて節約する癖を持っています。人は誰でも基本は「怠惰」なのです。元気な1段階でも、ある程度の意義がないと活動をしません。
努力家でまじめな人、成功している人たちは、1段階のやる気のない状態で自分に火をつけるライター(やる気を出す方法)を持っています。コーチングなどのスキルは、他者に火をつけるライターです。
疲労の2段階より下では、これ以上エネルギーを使わないようにやる気が出ないような状態になります。いわば、燃えないように水をかけた薪の状態。
ところが周囲はその人に、ライターを近づけ火をともそうとします。また、うつになった自分自身も、自分に火をつけようと必死にライターをこすり続けますが、火がついたように見えても、すぐに消えてしまい、とうとうライターもガス欠になります。疲労の3段階です。そうなると生きる意欲さえなくなります。
その人をまた燃え上がらせるには、ライターではなく、時間をおいて薪を乾かす必要があります。薪が乾いて1段階に戻れば、ライターの火で、燃え上がるようになるのです。
災害などで疲れているとき、やる気が出ないのは当たり前。ゆっくり対処しているうちに、必ず本来のやる気が回復してきます。