感情は「あなたを守ろうとしてくれているあなたの大切な分身」(感ケアでは、「感情の小人」と呼んでいます)なのです。ただ、感情は原始人的基準で発動するので、現代人のあなたにとって、必要以上に発動する厄介者。
ですから、子供のころから気持ちを抑えることを要求され、練習してきたのです。そのスキルが高い人ほど、自分の感情を無意識のうちに嫌い、我慢し、無視する態度が染みついてしまっています。
ただ、感情を我慢したり無視する態度が強すぎると、自信が低下する危険があるのです。
「自分の中には監視すべき悪いものがある」という構造ですから、どうしても自己否定になる。
しかも、例えば、休みたいと思う気持ちがあるとき、それを我慢したり、否定したりしていると、休みたいとよぎるたびに、「ダメな自分」「そんなこと感じてはいけない!」「気合を入れなさい!」と自分で自分を叱ってしまいます。
行動や結果へのダメ出しは必要です。しかし思考や感情にダメ出しをし始めると、ダメ出し回数が異常に増えてしまいます。これでは、日々自信が低下してきますよね。
しかも感情の強い警告(例えば、逃げて、休んで、準備してなど)を忘れるようとするには、かなりのエネルギーが必要になります。つまり、疲れやすくもなってしまうのです。
感情の欲求不満が大きくなり、疲れがたまり我慢の力も次第に落ちてくると、ある時結局、その感情の叫びに負けて、ストレス源から逃げ、休んだり、急に怒ったりしてします。すると、「自分は自分(の感情)をコントロールできていない」と感じ、「結局、ダメな自分」認定が強くなってしまうのです。
感ケアでは、この破たんを防ぐため、抑圧された感情に時々「触れて」その感情のケアをします。触れると破たんへのサイクルが収まり、楽になります。次回は、本当に感情を触れただけで、良いのかについて解説します。