ひらめきは突然に?

相談を受けていると、悩んでいる人にひらめきや気付きを与えたくなります。認知行動療法などは、それを追究したものです。

悩んでいる人も、ひらめきによって目の前が明るくなるという感じを持てるので、ひらめきを欲しがります。ですから、認知行動療法は人気です。

しかし多くの人をサポートしていると、ひらめきは「ある情報」だけで急に立ち上がるものではない、ということに気が付きます。

事前に、もう少し違う方向に考えたい、という無意識の葛藤が生じており、様々な思考や様々な経験値が積み重なり、あと少しで答えが答えにたどり着きそうだ…という状態になっている。そこで「ある情報」をヒントに、クライアントにとって楽になるある物語(視点、解釈)がスパーンとひらめくのです。

ニュートンもずっと考えていて、りんごを見てひらめいたのです。

だから、ひらめきの準備ができていない人に、いくらヒントを押し付けても、ひらめきにはつながらない。確かに視野は広がっても、納得感、モチベーションや行動力につながるひらめきは得られない。だから、すっきりしないのです。その人がひらめくかどうかは、ヒントの情報ではなく、その方の悩みに対する成熟度の方が大きく関係するのです。

今日の夜のフォローアップ講座では、怒りのコントロールについて、怒りのもととなる思考や価値観を取り扱います。これも「ある情報」。さて、今日のタイミングで、ひらめく方はいるのでしょうか。楽しみです。